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2026.07.20
小ロット加工が高い理由とは?単価を下げる発注方法を解説
■ はじめに
「1個だけ試作したいのに思ったより高い…」
「少量発注なのに単価が下がらない…」
「量産より小ロットの方が高いのはなぜ?」
金属加工を初めて依頼されるお客様から、よくいただくご質問です。
実際、旋盤加工やマシニング加工では、“小ロット加工ほど単価が高くなる”ケースが多くあります。
しかしその理由を理解し、発注方法を少し工夫するだけで、コストを抑えられる場合もあります。
今回は、小ロット加工が高くなる理由と、単価を下げるための具体的な発注ポイントについて解説します。
■ なぜ小ロット加工は高くなるのか?
① 段取り費用が必ず発生するため
金属加工では、実際の加工時間だけでなく“加工前準備”にも多くの時間がかかります。
例えば、
- 図面確認
- 工具準備
- 材料セット
- 芯出し
- プログラム作成
- 加工条件調整
などです。
これらは、1個でも100個でも必要になる工程です。
つまり、
1個しか作らない場合でも、段取りコストはほぼ同じだけ発生します。
■ ② 加工時間より段取り時間の方が長い場合がある
例えば加工時間が5分でも、
- 段取り30分
- プログラム作成20分
なら、実際には55分の工数がかかっています。
小ロット加工では、この“固定工数”の割合が非常に大きくなるため、単価が上がりやすいのです。
■ ③ 材料ロスが発生する
材料は必要数量ピッタリでは購入できない場合があります。
例えば、
- 定尺材購入
- 最低購入数量
- 切断ロス
などが発生します。
特に特殊材や高価な材料では、小ロットほど材料単価が割高になりやすい傾向があります。
■ ④ 工具費用が割り切れない
加工によっては、
- 専用工具
- 特殊チップ
- ドリル
- タップ
などが必要になります。
量産なら工具費を分散できますが、小ロットでは1〜数個に工具費が乗るため、高く感じやすくなります。
■ 単価を下げる発注方法とは?
① まとめ発注する
もっとも効果が大きい方法です。
例えば、
- 毎月5個 × 12回
- 年間60個を一括
では、後者の方が段取り回数を減らせるため、単価を下げやすくなります。
■ ② 図面仕様を必要以上に厳しくしない
過剰品質はコストアップにつながります。
例えば、
- 不要な高精度公差
- 不必要な面粗度指定
- 全周バリ取り指示
- 不要な同軸度要求
などです。
必要機能に合った仕様へ見直すだけで、加工時間短縮につながる場合があります。
■ ③ 加工しやすい形状にする
設計段階で加工性を考慮すると、コストを大きく下げられることがあります。
例えば、
- 深穴を避ける
- 極端な薄肉を避ける
- 市販工具径に合わせる
- 特殊サイズを減らす
などです。
「加工できる形状」と「加工しやすい形状」は違います。
■ ④ 材料支給を検討する
支給材対応可能な加工業者なら、材料コストを抑えられる場合があります。
特に、
- 特殊材
- 在庫材
- 余剰材
を活用できるケースでは有効です。
■ ⑤ 加工方法から相談する
図面通りに加工するだけでなく、
- 工程削減
- 工具変更
- 複合旋盤化
- 加工順変更
などでコストダウンできる場合があります。
加工業者へ早い段階で相談することが重要です。
■ 小ロットでもコストを抑えやすいケース
以下のような場合は、小ロットでも比較的コストを抑えやすくなります。
- リピート品
- 過去実績がある製品
- 汎用材料
- シンプル形状
- 公差が厳しすぎない製品
逆に、
- 初回試作
- 難削材
- 高精度品
- 多工程品
は単価が上がりやすい傾向があります。
■ まとめ
小ロット加工が高くなる主な理由は、
- 段取り工数
- プログラム作成
- 材料ロス
- 工具費
など、“数量に関係なく発生する固定コスト”が大きいためです。
しかし、
- まとめ発注
- 図面見直し
- 加工性改善
- 工程相談
などによって、コストダウンできるケースも多くあります。
柴田製作所では、小ロット試作から量産加工まで対応しており、加工方法の見直しによるコスト削減提案も行っています。
「試作を依頼したい」
「少量でも対応してほしい」
「コストを抑える加工方法を相談したい」
という案件も、お気軽にご相談ください。